「補正予算」は賛成多数で可決
駅前に残す樹木は30本だけ!
案の定「補正予算」は賛成多数で可決されました。
「市民の思いが届く行政と市議会」への道のりはまだ遠いが
「道すじ」は見えてきたと感じました。
◆今議会が開会するまでの経過
「樹木の会」が市議会と行政に求めてきた、①調布駅前南口広場の樹木をで
きるだけ多く残すこと、②そのために地下駐輪場建設など南口広場開発につい
て一度立ち止まって見直すこと、③合意と納得が確認されるまで伐採は行わな
いこと、という3つの要請に対して市が示した回答は「計画の見直し」は行わ
ず30本の樹木を駅周辺に残し21本を他所に移植するというものでした。
16,000筆の署名をいただき、100本の樹木の多くを保全するために
努力してきた私たちが、樹木伐採の主な原因に「地下駐輪場建設」などの計画
があることに気付き、これらの計画を「一度立ち止まって見直す」という要請
にたどりついたのは当然の成り行きでした。だからこそ市長と行政も、当初掲
げた「全樹木伐採」の計画を、「11本」から「30本」へ、少しづつとは言
え見直してきたのだし、私たちの要請を受けた市議会の各会派のみなさんから
も「一度立ち止まって見直す」こと、そのために「補正予算」を今議会では一
旦否決すること、などの方向でのご尽力をいただくことができたのです。私た
ちが、要請を「陳情」のかたちで市議会に提出することを見合わせて、議会で
の検討にゆだねることにしたのは、これらのご尽力を信頼したからでした。
ところが市・行政は、先の「30本を残す」という回答から一歩も進まない
まま、この回答を具体化する「補正予算案」を議会に提出しました。
◆「補正予算」可決までの経過
議会第一日目の2月27日の本会議で、この「補正予算案」に対する質疑を
行なったのは雨宮幸男市議(共産党)、大河巳渡子市議(元気派)のお二人だ
けでした。これまでの懇談を通して、私たちの要請に理解を示していた会派の
みなさんがなぜ質疑をしてくれないのか、幕開けから疑問が生じました。
続く2日目(28日)は10時から開催された「建設委員会」と「総務委員
会」でも「補正予算案」が審議されましたが、ここでは何と両委員会とも、賛
成多数でこれを可決しました。建設委員会では、井樋匡利委員(共産党)が疑
問と反対の討論をしましたが、伊藤学委員と渡辺進二郎委員(ともに自民党創
政会)は補正予算案が出された経過についての問題点を指摘し、補正予算が成
立しても市民・議会との合意なしには実施しないという条件をつけつつも、補
正予算に賛成する立場を表明しました。総務委員会でも、雨宮市議と大河市議
が前日の本会議に続けて反対討論を行ないましたが、他の委員はこの問題に触
れることもないまま、補正予算に賛成しました。
そして今日、3月2日の本会議は、共産党・元気派・ネットのみなさんの反
対討論、自民党創政会・チャレンジ21・公明党のみなさんの賛成討論の後、
粛々(?)と「委員会報告」を承認し、「補正予算」を成立させました。
◆残された希望 市民・議会・行政の協和の道は拓けるか
2日の本会議で伊藤学市議(自民党創政会)が「予算が成立しても、樹木の
会をはじめ、新たに各団体と意見交換をし、それを果たすまでは執行を先送り
せよ」との「条件?」をつけました。これは議事録に載るものとは言え、この
意見に対する市長・行政の「了解」の回答もないものですから、これに幻想を
抱くわけには行きません。
しかし、この「条件」表明を含めて、すべての会派が「樹木の会」の運動と
要請に好意的な目を向け、これを重視する立場からの予算執行と市政運営を求
めたことは特筆に値します。今市議会の結論がどう転んでも、大きな流れとし
て、市民・議会・行政が、相互に緊張関係を持ちながら、協和の道を切り拓く
条件が生まれてきたことを、多くの市民のみなさんと確認したいと思います。