市との会合
市議会でタコ公園周辺の樹木を中心とした樹木50本の
移植費を含めた補正予算案が可決されました。
市は、最初は1本も残せないと言っていました。
それが、11本残すと方針転換され、
されに、それが50本になったわけです。
これは、署名にご協力くださった16000人の人々の声が
勝ち取った成果です。
議会だけの力ではできない、行政だけの力でも実現できなかった
50本の樹木の保全を、成し遂げることができたのは、
ひとえに市民の皆さまが一緒に声をあげてくださったお陰です。
ここに心より感謝を申し上げます。
しかし、これまで運動を進める中で、私たちは駅前広場の
開発について本当に多くを学びました。
調布市で長い間論議されてきている、駐輪場問題について、
過去のデータを掘り起こすだけでなく、実際に駐輪場を走り回り、
新たに調査をしました。
市民の目には数年前、突如現れたように見える巨大な地下駐輪場建設計画について
どのように計画が浮上し、議会で議論され、どのようなプロセスを経て
市民の合意を得たという判断がなされてここまで進められてきたのか、
過去の議事録や資料を読みあさりました。
また、街路樹として使われる樹木が、山や森に自然に生えている樹木とは
まったく別のものであることも、数多くの造園業を請け負っている
造園業者さんからお話を伺ったりして、学びました。
こういった多くの学びをして、改めて駅前広場を樹木の問題を通して見た結果、
私たちは、今の駅前広場の計画には、駅前広場が完成した時に、
多くの市民から不満が噴き出すと予測のつく問題が数多く含まれている現実を
どうしても無視することができなくなってしまいました。
そこで、行政には、樹木を何本保全するかという目先のことだけではなく、
例えば、19億円をかけて建設される巨大な地下駐輪場が、本当に市民のニーズに
合ったものなのか、第一小学校のグラウンド(2700㎡)よりも大きな2900㎡もある
地下駐輪場、しかも京王線の調布駅には地下で通じない、そんな地下駐輪場が
これまで調布市が抱えてきている、路上駐輪の問題を解決する手がかりになり得るのか、
今のものの1.8倍もの面積があるバスロータリーは、本当に必要なのか?
私たちが大切にしてきたタコ公園を犠牲にしてまで、明樹会の人たちが
思いを込めて植樹した樹木を犠牲にしてまで、それらを建設する意味は何なのか?
こういう疑問にも応えてほしい、そのように要望してきました。
しかし行政は、一貫して、私たちは「樹木を守る会」であり、集めた署名は
樹木の保全を求める署名である以上、樹木の問題についてしか発言権はない、
という姿勢を貫き、樹木以外のテーマについては聞く耳を持たない、
そのようなスタンスで50本保全案の受け入れを迫ってきたのでした。
私たちは、駅前広場の計画に秘められた多くの問題に気づいてしまった以上、
目をつぶるわけにはいかない、50本保全はこれまでの運動の中でお互いに歩み寄った結果
実現した、市民と行政で実現させた成果ではあるけれども、これで十分であるとの
結論を出すわけにはいかない、さらに駅前広場全体の問題について、これからもさらに
市民との協議を続けていってほしい、そのように返答をしました。
実は、このような返答をするにあたって、私たちは苦しい状況にありました。
3月議会が始まるにあたって、私たちは、「議会の決断にゆだねる」という旨を
示していました。議会の大きな会派が、50本の樹木の移植費の予算案を否決し、
駅前の開発工事を一旦ストップさせる方向で動く、樹木を守る会に協力する、
そういう意志を表していたため、私たちは議会の決断にゆだねることにしたのでした。
しかし、突きつけられた結論は、「議会(の一部)の裏切り」でした。
予算案は可決されてしまったのです。
50本の樹木の移植予算を認めた。
言い換えると、この50本以外は伐採するということです。
今の地下駐輪場計画を進めるということです。
議会(の一部)は、さんざん私たちを翻弄し、結果的に私たちを裏切る結果を
突きつけてきたのですが、中には最後まで16000人の市民の声に寄り添い、
会派として苦しい状況に追い込まれる可能性もある中で、予算案に反対の姿勢を
貫いてくれた会派もありました。
私たちは、今厳しい状況に追い込まれています。
が、今こそ市民が議会にも頼らず、純粋に「民意」がどこにあるのかを探り、
行政に、議会に、しっかりと突きつけていく時ではないかと思っています。
樹木を守る会と副市長をはじめとする行政との交渉で私たちが示した結論は、
50本保全は不十分である、駅前広場全体についてさらに市民と交渉する
システムを作り、今の計画を改善してほしい、というものでしたが、
私たちには駅前広場全体についての発言権はないとの姿勢は変わりませんでした。
このような形ではありますが、最初は全面撤去、となっていた樹木のうち50本を
救うことができたのは、皆さまのご協力のお陰と、感謝を申し上げます。
今後も私たちは活動を続けてまいりますので、今後も
関心を寄せていただきますよう
お願い申し上げます。